TAKAYUKA現場視察
先日、参加させていただきました「市民防災まちづくり塾」様の勉強会で講師をされている
河川防災のスペシャリストの土屋信行先生をはじめスタッフの方、関係の皆さまが
私達が取り組む「地震・水害に備える防災住宅TAKAYUKA」の建築現場の視察にお越しいただきました。
土屋先生は八ッ場ダムの建設、3.11後の女川町の復興に携われ
水害防災についてご自身の著書「首都水没」「水害列島」や新刊「災害列島の作法」を執筆され
メディア出演、講演、自治体や国へと様々な場所で水害防災を提言されております。
またスタッフの方もハザードマップの作成に携われている方、河川のスペシャリストの方
そして今回のご縁を結んでいただき、ご自身でもフェーズフリーな防災器具を発明される小野様と
錚々たる方々にお越しいただきました。
TAKAYUKAは一階を鉄筋コンクリートで造り、二階から木造とし
地震に強く、水害時に河川が氾濫した際も流されない防災住宅です。
3.11の大津波では木造8割、鉄骨でも6割、鉄筋コンクリートでは2割の建物が流され倒壊してしまいましたが
構造別に見ても鉄筋コンクリートの強靭さが見て取れます。
流失、倒壊してしまう要因は様々な条件があり
東日本大震災では自然の驚異を知ると同時に条件次第では備えられることも自然は教えてくれました。
視察の様子
TAKAYUKAの特徴は1階を鉄筋コンクリートで造るとともに
ハザードマップの最大浸水面より2階の床を高くすることで
水害時に垂直避難ができる居住空間を確保していることを説明させていただきました。
内部の様子もご覧いただきました。
土屋先生は工学博士で土木にも精通されている方ですが
コンクリートがきれいに作られているとお褒めいただきました!
コンクリートの工法について簡単に説明します。
壁式鉄筋コンクリートのTAKAYUKAは「壁と床の面の構造体」
在来鉄筋コンクリートのラーメン構造は「柱と梁の枠の構造体」
地震のエネルギーが建物に伝わった時に
ラーメン構造ではエネルギーが柱に集中してしまう反面
壁式構造は地震のエネルギーを壁で分散して面で耐えられることから
住宅規模の鉄筋コンクリート住宅ではとても合理的な構造です。
弊社のショールームに移り皆様と様々な意見交換をさせていただきました。
代表からは改めてTAKAYUKAの説明をさせていただき
土屋先生からは毎年どこかで必ず起きている水害は年々増えていること
2016年に改正された水害ハザードマップが出来き、都市型水害が広く周知され
2019年には令和元年東日本台風と大規模な水害が増える中
2020年に不動産取引時にハザードマップの災害リスクを伝える重要事項の説明が義務化されるまでは良いこと
ですが、ここはリスクがありますよと言い放しで対処方法を示せていない現状に問題があります。とおっしゃり
高台や建物の防災化と水害リスクへの対策を従前のあり方からこれからのあり方で進歩して行く必要があること
その中で実際に水害に目を向けた防災住宅を提供する私達の取り組みはとても合理的とご評価いただきました。
その他にも盛んに意見交換をさせていただきました。
私達は防災住宅を造ることは出来ますが、自治体や国の後押しも地域の活性と
防災化を広く進めて行く上で重要と信じていますが、それは不可能とまわりから言われる中
正に真ん中で提言されている土屋先生と出会い
すでに各自治体は災害を想定した取り組みを研究していることを知れました。
実際に辛い経験から未来を見据えた水害対策を条例化した滋賀県の血の通った例からも
ハザードマップで災害リスクを知り、危険ですと言われる地域でも建物や地域を防災化することで
一律に危険ではなく、安心して暮らせる場所が増えることが地域の活性化とハザードマップの意義に私は思いました。
ハザードマップから記した弊社の最大浸水深さを撮影する皆さま、鉄骨柱の水色部分で高さは2.5M
土屋先生はじめお越しいただいた皆さま
貴重な機会をいただき誠にありがとうございました。
とても勉強させていただきました、今後共よろしくお願いいたします。